研究課題
本研究では以下の仮説の証明をめざすことを目的とする。すなわち、胎生期の低栄養環境に曝された胎児の脂肪細胞は栄養環境のセンサーとしてこれを感知し、脂肪細胞数さらには脂肪細胞径を減少することで栄養環境に適応する。一方、胎児の中枢神経は生存にとって重要な臓器でありbrain sparing effect(血流再配分)などにより環境の変化に対して保護されている。子宮内において低栄養環境を感知しかつ自ら適応している脂肪細胞から胎生期あるいは新生児期に何らかの発達制御シグナルが中枢神経へ送られ恒常的なエネルギー調節制御ならびに精神・神経発達がプログラムされるという概念の立証を目指す。さらに、この脂肪細胞を核とする臓器間クロストークによる発達制御機構が胎生期に由来する成人病発症リスク形成に重要な役割を果たすこという概念の証明を目指す。平成21年度では母獣摂餌制限による胎生期低栄養マウスモデルを改良して、出生から離乳までのcatch upする比率によって成獣期において高脂肪食を負荷した場合における肥満、耐糖能異常が増悪する比率と相関する動物モデルを調整し、現在そのメカニズムの解析を行っている。連携研究者である土屋賢治博士(浜松医科大学子どものこころの発達研究センター)との共同研究により浜松birth cohort研究のエントリー続けており現在までで約800人の参加同意を得ている。今後1,200名を目標に募集を続け、周産期事象と発育、発達の関連を調査する予定である。
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