研究課題
線維芽細胞での解析で3-methoxy-4-nitroflavoneなどのAhRの特異的阻害薬によってAhRを介してMMP-1の発現がみられることを明らかにした。ケラチノサイトをレンチウイルスshRNAを用いた系AhR knockdownして、ケラチノサイトにおけるタバコ煙抽出液(水溶性・ヘキサン)とAhRの働きの解析を行い、ヘキサン分画では、AhRを介した経路がその後の遺伝子発現に重要であることが明らかとなった。ドイツ環境医学研究所との共同研究から、環境因子、生活習慣、食事を含めた質問票(日、英、独)を用い、白人としてドイツ人(50名)をデュッセルドルフにて、日本人(50名)を名古屋近傍で、健常人ボランティアで解析をJAGEプロジェクトの第1段階としておこなった。人種差としては、白人は若い段階からシワができやすく、日本人ではシミができやすいことがあきらかとなった。さらに、環境因子としては、タバコ喫煙がシミやシワの形成に関与すること、さらには、幹線道路から近いことがシミの形成に関与することがドイツ側で明らかとなったが、日本(名古屋)では明らかではなかった。このため、JAGE2として、名古屋以外に、大気汚染が少ない地方で、さらにあたらしい質問票を用意して、今回の申請とした。また、日本人の方が血漿中カロテノイドレベルが高いこともあきらかになった(J Dermatol Sci, 2011)。露光部(うなじ部分)と非露光部(臀部)の皮膚を2-3ミリ径で採取を行った。ドイツの女性は、頸部皮膚で、日本人よりCD量が高い結果であった。また、50歳以上ではさらに高いCD量を示した。腰部皮膚に関して、両集団のCD量は、非常に類似していた。このことから、日本人に比べ、ドイツ人の皮膚では、明らかに環境曝露、紫外線暴露が多いことが明らかとなったり、紫外線暴露に関する行動と一致した。日本人では、CD量と眼周囲および上口唇のシワと関連することが明らかとなった。ドイツ人では、ほうれい線やたるみとの関連がある一方、色素沈着とは陰性の関係であった。また、大気汚染とシミ(頬のシミ)の関連から、SLC45A2(rs26722)が重要であることが明らかとなった(J Invest Dermarol.2011)。
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