1.重症薬疹と感染症(マイコプラズマ、水痘、麻疹)患者の様々な時期から末梢血リンパ球(PBMC)を採取し、Treg、Th1、Th2、Th17の頻度とその機能について検討した。重症薬疹のSJS/TENでは急性期にはTreg機能の著明な低下とTh17の頻度の上昇を認めたのに対し、DIHSでは急性期にTregの頻度の著明な増加を認めた。感染症では全ての例でTregの頻度の減少と機能の低下を認めた。Th1、Th2に関しては一定の傾向は見出せなかった。TregのFucT-VII発現について検討したが、Treg機能の低下はFucT-VII発現の低下と一致していた。 2.マウス皮膚の角層水分量を変化させ、その水分量が局所へのTregの遊走とどのように関連しているかを検討した。低湿度環境において角層水分量を低下させると、ハプテン塗布部へのTregの遊走は低下するのに対し、高湿度環境で水分量を上昇させるとTregの遊走は亢進した。水分量とTregの局所への遊走は密接に関係していると考えられる。
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