研究課題
シートビーム法で、位置情報を検出しながらデータ収集できるFXCTの予備研究を、並列3素子半導体検出器を作製、検出器に入射する大量の蛍光X線およびCompton散乱信号を高速処理できるエレクトロニクス系を導入、撮像系のソフトウエア改造、画像の再構成ソフトウエアを作製し、生体試料の画像化が可能となった。本研究では、生体試料(小動物)の撮影部位の位置合わせと同時に、透過CT画像が同時に得られる、透過型X線撮像装置を開発する。本年度は、短時間で動物の撮影位置やCT画像を得る透過型のX線CCDカメラの特性と撮影実験を高エネルギー加速器研究機構のAR ringで行った。本カメラでは、撮影を繰り返すと撮像部位で発熱が起こり、SNが低下する傾向が見られるため、装置冷却のための改造を行った。昨年度に開発した計算機による撮影制御ソフトを使用し、制御が可能な事が確認されたが、CT画像の撮影時に背景ノイズが10%と多く、画像改善の必要性が確認された。まとめは以下の3点、(1)透過X線CT用検出器では、長期撮影で発熱する傾向が見られ、冷却の改造を行った。(2)計算機で試料の駆動と検出器のデータ収集用のソフトは完成した。(3)画像再構成用ソフトウエアには改善が必要なことが明らかとなった。次回、蛍光X線検出器と透過X線CT検出器のデータ同期収集ソフトウエアの実証実験を行う予定である。また、撮影する動物モデルの準備も進んでいる。
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