シートビーム法で、位置情報を検出しながらデータ収集できるFXCTの予備研究を、並列3素子半導体検出器を作製、検出器に入射する大量の蛍光X線およびCompton散乱信号を高速処理できるエレクトロニクス系を導入、撮像系のソフトウエア改造、画像の再構成ソフトウエアを作製し、生体試料の画像化が可能となった。本研究では、生体試料(小動物)の撮影部位の位置合わせと同時に、透過CT画像が同時に得られる、透過型X線撮像装置を開発する。 購入したカメラ特性が十分発揮されていなかった(CCD部位での発熱による蓄熱でSNが低下し、装置冷却のための改造)が、改良を加えた検出器を用い本格的な撮影実験を高エネルギー加速器研究機構のAR ringで行った。1投影100-200msの短時間で、撮影エネルギー25-52keVまで種々の条件で撮影し、明瞭なCT再構成画像が得られた。また、エネルギー差分画像の評価も可能で有った。昨年度に開発した計算機による撮影制御ソフトを使用し、制御が可能な事が確認された。 まとめ (1)透過X線CT用検出器での発熱問題は解決し、種々のエネルギーで、短時間でのCT画像収集が可能であった。種々のエネルギー差分像、種々の試料の撮影が可能となった。 (2)計算機で試料の駆動と検出器のデータ収集用のソフトは完成した。 (3)蛍光X線検出器と透過X線CT検出器のデータ同期収集ソフトウエアの実証実験では、震災の影響で半導体検出器のデータ転送部の動作が不安定となった。
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