研究概要 |
高磁場(3T)MRI装置によって、磁化率を強調した画像を利用した高分解能の髄鞘イメージングが可能であることを、健常ボランティアの撮像により検討した。具体的には、17名の健常ボランティアにおいて、横断像と側脳室下角に垂直な冠状断像の磁化率強調画像を撮像し、側頭葉から後頭葉に至る帯状低信号域について、a)側脳室下角の先端部、b)外側膝状体、c)側脳室三角部、d)側脳室後角を通る4つの断面において、その幅および厚さを測定した。幅は、a)8.8±1.8mm,b)18.6±1.7mm,c)20.5±3.1mm,d):23.9±4.1mmであり、厚さは、a)1.7±0.4mm,b)2.4±0.5mm,c)3.7±0.5mm,d)3.3±0.4mmであり、過去の視放線に関する解剖学的文献の記載とほぼ一致した。また、拡散テンソル画像も撮像し、拡散テンソルトラクトグラフィーで描出された視放線との一致度も検討した。特に、その前端部の位置にういて、前端部と側頭極の距離で判定した。視放線前端部と側頭極の距離は、磁化率強調画像では31.8±3.4mmであったのに対して拡散テンソルトラクトグラフィーでは40.3±7.7mmと優位に長く、拡散テンソルトラクトグラフィーよりも磁化率強調画像において、視放線前端部の位置が、より正確に描出されていることを見いだした。高磁場MRIによる磁化率強調画像において、視放線がコンスタントかつ正確に描出できることが、証明できた。
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