研究課題
前年度は、高磁場(3T)MRI装置によって、磁化率を強調した画像(SWI)を利用した高分解能の髄鞘イメージングが可能であり、拡散テンソルトラクトグラフィーと比較してより安定して描出可能であることを、健常ボランティアの撮像によりあきらかにしたので、今年度は、側頭葉てんかんの手術前後の所見および視野検査と対比することによって、臨床的有用性を検討した。難治性側頭葉てんかん患者6例(脳腫瘍2例、海馬硬化症1例、動静脈奇形1例、海綿状血管腫2例)のうち、手術が施行され、術前後に3T MRでmSWIを撮像かつ術(前)後に視野検査が施行されたものを対象に、SWI上の視放線の前方部分(aLSB)の所見の変化、術後視野欠損との関連を検討した脳腫瘍2例では術後同名上1/4半盲(HUQA)が生じ、SWI上のaLSB損傷に対応していた。海馬硬化症例では術後HUQAが生じ、SWI上のaLSB損傷に対応していたが、術前画像は体動により評価は限定的だった。AVM例では、初回手術で生じた軽度HUQAが再手術後に増悪し、SWI上のaLSB損傷範囲の拡大に対応していた。海綿状血管奇形例では、1例で術後HUQAを生じ、1例では生じず、それぞれSWI上のaLSB損傷の程度と対応していたが、その術前評価は病変由来の血液産物による磁化率効果のためいずれも限定的だった。以上の結果から、SWI上のaLSBは視放線のマイヤーズループに、機能的にも一致することが明らかとなった
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