研究課題
前年度は、側頭葉てんかんの手術前後の所見および視野検査と対比することによって、臨床的有用性を検討し、磁化率の不均一性を強調した画像上の視放線の前方部分(aLSB)は視放線のマイヤーズループに、機能的に一致することが明らかとしたが、23年度は磁化率の不均一性のみならず、磁化率の不均一性がもたらす位相情報の有用性の検討を開始した。脳病変で磁化率の不均一性をもたらす要因として、出血、石灰化、静脈があげられるが、位相情報を解析することにより、これらを鑑別できるかどうかを検討した。石灰化は、その大きさによって画像が異なって来る可能性があるため、石灰化のファントムを作成し、CTおよびMRI(磁化率不均一性を強調した画像を含む)を撮像し、定量・定性解析を行った。その結果、CTよりも磁化率不均一性を強調した画像の方が、より小さい石灰化を検出できる可能性があることが見いだされた。実質内脳腫瘍おいては、石灰化・出血・拡張した静脈の有無と画像との対比を開始した。
2: おおむね順調に進展している
磁化率強調画像が示す低信号域が視放線であることを示すことができ、かつ臨床データの蓄積・解析も進んでいる。
磁化率の不均一性を強調する画像のみならず、物質の位相差を強調する画像についても、解剖学的構造、物質の組成による違いについて、健常者・患者脳およびファントム解析を推進する。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)
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