研究課題
異なったサイズ(直径0.1mm-0.3mm, 0.3mm-0.6mm, 0.6mm-1.0mm, 1.0mm-4mm)のハイドロキシアパタイトをゼラチンに混合した「石灰化ファントム」を作成し、CTおよび磁化率不均一性を強調したMRI画像を撮像した。その結果、1mm以下の石灰化については、CTよりも磁化率不均一性を強調したMRIの方が、有意に多くの石灰化を検出できることが明らかとなった(P < 0.001)。また、石灰化の面積に関しても、磁化率不均一性を強調したMRIの方が、有意に多くの石灰化を検出できた(P < 0.001)。石灰化についてはCTの検出能がMRIに勝るという、従来の常識を覆す結果である。これは、PADRE imageで使用している位相画像情報が、石灰化のpartial volume effectとdipole effectにより、その個数と面積の検出率向上に寄与しているためと考えられる。今回の検討から明らかになったように、calcificationの検出能は、位相を用いたPADRE法が空間分解能以下の大きさを持つ石灰化を検出するには有利であり、一般的に考えられている、CTがMRIよりcalcificationの検出率に優れているのは、1mm以上の比較的大きなcalcificationに対してのみであることが明らかになった。さらに、脳腫瘍については、まだ統計学的に確定的な症例数は収集できていないものの、磁化率不均一性を強調したMRIの方が、石灰化の検出感度が高い傾向を得た。ただし、石灰化の特異度については、出血も似たような画像を呈することがあり、それほど高くない傾向がみられた。磁化率不均一性を強調したMRIは、視放線を安定して描出することにより、より安全な手術に貢献できるだけでなく、微細な石灰化も同時に検出しうることが明らかになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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