研究課題/領域番号 |
21390346
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
原田 雅史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
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研究分担者 |
梶 龍見 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
永廣 信治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60145315)
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キーワード | MRI / 脳卒中 / バイオマーカ / 血栓溶解療法 |
研究概要 |
脳梗塞急性期におけるrt-PA治療のパラメーターとして重要と考えられる非造影脳血流MRIの異なる2つの方法について、脳血流シンチや造影剤によるMRIと比較検討した。その結果、非造影MRIのうち連続したパルスを使用するpulsed continuous arterial labeling (pCASL)法が、pulsed arterial labeling (PASL)法よりも血流速度の変化や血流経路の違いに影響されず、脳血流シンチによるコントラストと相関がたかいことが判明した。さらにspiral収集によるspin echo法により、ゆがみの抑制とvolumeデータの取得が可能となり、pCASL法による3D脳潅流マップを取得することができた。rt-PA投与後の脳出血の有無の判定には、T2*-WIが有用と考えられるが、CTよりも検出感度がたかく、症状の改善症例にもT2*-WIで出血が認められた。そのためT2*-WIによって検出できた出血頻度と症状の改善やMRAによる閉塞血管の再開通等との相関について検討を行った。その結果、T2*-WIで認められたmass effectを伴わない出血は、再開通や症状の改善と高い相関が認められた。一方で、mass effectを有する出血は、症状の悪化や予後不良と相関が高かった。また、虚血領域におけるT2*-WIでの脳実質の信号低下は、脳血流の低下程度では3~4割以上の場合に認められており、ischemic penumbraとの相関性が考えられた。以上よりischemic penumbraの判定には、3D pCASL方によるrCBF値とT2*-WIによる低信号が有用であり、rt-PA後の判定にはT2*-WIの有用性が高いと考えられた。
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