研究課題/領域番号 |
21390356
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 好信 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20313538)
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研究分担者 |
安保 徹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30005079)
松田 康伸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40334669)
富山 智香子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80359702)
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キーワード | 肝幹細胞 / 臓器移植 / 免疫寛容 / 拒絶反応 / ドナー特異的抗原門脈内投与 / 調節性T細胞 / shear stress |
研究概要 |
本研究の全体構想は、これまでの臨床研究の成果を基に、臨床生体臓器移植におけるOperational Toleranceを誘導するメカニズムを解析しさらに肝幹細胞を中心とした再生医療を応用したスーパードナー抗原による新たな方法論を確立することである。基礎的検討としては、ヒト肝組織、特に障害肝においてhepatic stem/progenitor細胞markerであるCD133とNCAMを用い、その存在を検討した。障害肝のductular reactionの存在する領域にhepatic stem/progenitor細胞の存在が確認された。特に障害の程度が高い程、その存在は明らかであった(Hepatology Research2009)。今後正常ドナー肝組織で確認できるかが、検討課題である。また臨床においてはこれまで行ってきたドナー分離白血球の門脈内投与の免疫学的検討を行った。これまで免疫抑制剤プログラフが0.5mg/1週間以下の症例(Almost tolerance)と連日投与症例を検討すると、Almost tolerance症例で調節性T細胞であるFoxP3+CD4+CD25+細胞が有意に多く存在していた。これらを国内国際学会で報告した。また臓器移植においては、肝膵移植における拒絶反応の診断は一つの課題である。拒絶反応が発症した場合血管抵抗が増加するが、その計測を非侵襲的に行うために、ソナゾイド造影エコーを用いたソフト開発を行っている。今後は障害肝のhepatic stem/progenitor細胞だけではなく、正常肝におけるhepatic stem/progenitor細胞の抽出、さらにこれまで行ってきているドナー特異的抗原門脈内投与の免疫学的解析をさらに進めていく予定である。
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