研究概要 |
<糖鎖抗原の解析>レクチンアレーを利用して、ブタ膵・膵島細胞の解析を行った。αGal-knockout (GKO)の新生児膵島(NICC)では、αGalと関連するEEL, GSI-B4だけでなく、末端GalNAc(Tn抗原を含む)を示すSBA, HPA, WFA, GSI-A4のシグナルも低下を示したが、新生児膵臓(NP)ではGalNAc関連ではGSI-A4の低下を認めたのみであった。一方、成ブタ膵島(API)は野生型でもαGal発現はみられないものの、GKOでGSI-B4とGSI-A4, PTL-Iの低下を認めた。また、GKOのNICCではα2,3及びα2,6シアル酸の発現を示す、MAL SNA, SSA, TJA-Iは低下を示し、APIでは逆に少し上昇していた。加えて、α1,2フコースを認識するUEA-1はwild-typeブタに比しGKO全般に上昇していたが、特にNPで高値を示した。 <保存実験>引き続き、ブタのPAI-2の抗アポトーシス効果を検討している。 <PERVの制御>引き続き、Dol-P-mannosyltransferaseのPERV感染に対する影響を検討するため、この遺伝子のin vitroでのKOを検討中である。 <新規遺伝子の合成>現存の遺伝子改変ブタに、追加する遺伝子を合成を試みた。 1. 補体制御因子に、抗凝固因子の遺伝子をhybrid化した物を合成した。[Cl-INH-Thrombomodulin-DAF(CD55)-MCP(CD46)=CTDM] 2. HLA-Eのmutant遺伝子(HLA-Ev147)とヒトβ2mを同時に発現するため、両者をIRESおよび2Aペプチドで繋いだ遺伝子を構築した。[HLA-Ev-147+IRES+hβ2m][HLA-Ev-147+2A(P)+hβ2m]
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