研究課題/領域番号 |
21390365
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
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研究分担者 |
大栄 秀和 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90452979)
谷水 直樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00333386)
吉川 大和 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (20274227)
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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キーワード | 肝臓 / 幹・前駆細胞 / 小型肝細胞 / 移植 / 組織形成 / 再生医学 / 増殖 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
研究目的である「小型肝細胞の増産」を達成するために本年度は、下記の研究を行った。 1.ラット小型肝細胞は、成熟肝細胞とは異なり、増殖抑制作用を持つActivinBを産生し、同様に産生されるFollistatinによってActivinBの活性が阻害され、増殖することがわかった。 2.成熟肝細胞の小型肝細胞化を誘導するためにレンチウイルスに遺伝子(Follistatin,CD44など)を組み込み、実験を始めた。 「肝組織移植」に関して本年度は、下記の研究を行った。 3.肝幹細胞であるOval細胞と肝前駆細胞である小型肝細胞(SH)を、Retrorsine投与により肝細胞増殖を抑制したラットに2/3肝切除と同時に移植した。成熟肝細胞(MH)をコントールとした。移植したOval細胞は肝細胞に分化するがその頻度は極めて低く、移植後2ヶ月以内にほとんどの細胞は消失した。移植したSHは2週間目までは活発に増殖するが、以後増殖速度はMHと同程度まで落ちる。そのため、移植初期の移植巣はSHを移植した方がMHのものより大きいが、1ヶ月を過ぎるとMHの方が大きくなる。MH由来の移植巣は、ゆっくりレシピエント肝を置換し、1年後も残存している。一方、SH由来の移植巣の数は1ヶ月を過ぎると減少し始める。SH由来の細胞はMH由来の細胞と比較して細胞老化に陥り細胞死することがわかった。この成果は、Cell Transplantation誌に掲載されることになった。 4.コリン欠乏・低メチオニン食を12週投与したラットに2/3肝切除を行うとほぼ全て死亡するが、切除1日前に肝細胞を移植しておくと約半数以上のラットは生存することがわかった。肝細胞移植を受けたラット肝細胞は細胞死が抑制され、肝細胞増殖が促進されていた。現在、論文準備中である。
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