研究課題/領域番号 |
21390365
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
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研究分担者 |
大栄 秀和 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90452979)
市戸 義久 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80452978)
谷水 直樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00333386)
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
吉川 大和 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (20274227)
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キーワード | 肝幹・前駆細胞 / 小型肝細胞 / 細胞移植 / 増殖 / 成熟化 / CD44 / 胆管形成 / 3次元培養 |
研究概要 |
「小型肝細胞の増産」に関する研究 小型肝細胞におけるCD44の役割を明らかにするためにレンチウイルスにCD44mRNAに対するshRNAを作成し、小型肝細胞に感染させ抑制実験を行った。結果、shRNAによりCD44の発現を抑制しても、小型肝細胞の増殖は抑制されなかった。また成熟化の誘導など、明瞭な効果が認められなかった。CD44遺伝子をレンチウイルスによりラット成熟肝細胞に導入する実験を行ったが、感染効率が上がらず、小型肝細胞化の実験は成功していない。 「肝組織移植」に関する研究 Galactosamine投与により惹起された急性肝炎からの再生において、未分化なThy1陽性細胞が肝細胞へ分化する機序を解明した。EGF,HGF,FGFによりThy1陽性細胞の一部が肝幹細胞にcommitmentされ、CD44発現に伴い分化は進んだが、十分に成熟化できないことがわかった。移植細胞は、分化が進んだ細胞ほど生存率が高く置換効率も高い。幹・前駆細胞由来の肝細胞は、早期に細胞老化に陥り脱落することが判った。コリン欠乏・低メチオニン食を12週投与したラットに脾臓経由で成熟肝細胞を移植した後、2/3部分肝切除を行うと、約半数のラットを生存させることができた。生存したラット肝臓では、レシピエントの肝細胞のapoptosisが抑制され、増殖が促進されていた。長期生存したラットの肝臓及び脾臓には移植肝細胞が大きなクラスターを作り、肝細胞として機能していた。 肝細胞と胆管上皮細胞または類洞細胞との相互作用を検討するための研究 小型肝細胞と星細胞を共培養した膜の対側に血管内皮細胞を培養することにより、3次元的な疑似類洞構造を培養皿に構築した。結果、星細胞はその細胞突起により血管内皮細胞を裏打ちすることで毛細血管様ネットワークを形成させ、また小型肝細胞の成熟化を促進していることが判った。
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