研究概要 |
虚血再灌流障害における新規血管新生関連因子の動態 マウス肝・腎虚血再灌流障害in vivoモデルを用いて,血管新生関連因子の発現の動態をReal-time PCRおよび組織学的に検討した.その結果,障害過程において,早期に主要血管新生因子VEGF発現の上昇を認めた.また同時に,サイトカイン,ケモカインの上昇を認め,VEGFのProinflammatory cytokineとしての機能が確認された.さらにVEGF受容体の発現についても検討したが,モデルによって上昇する場合と低下する場合があり,恒常的な変化が確認できず,今後さらに検討を進めていく予定. 急性および慢性アロ拒絶反応におけるin vivoでの新規血管新生関連因子の動態 MHC完全不適合間およびMHC class II不適合間マウス心移植モデルを用いて,急性および慢性拒絶反応の過程における血管新生関連因子の発現の動態をReal-time PCRおよび組織学的に検討した.移植後経時的に血管新生関連因子の発現を検討し,血管新生の進行と拒絶反応との間の相関を検討した.急性拒絶モデルでは,VEGFの拒絶早期の発現を認め,また慢性拒絶モデルでは時間経過とともに発現の上昇を認めたことから,血管新生のアロ免疫応答における関与が認められた.さらに各種免疫担当細胞(マクロファージ,樹状細胞,T細胞等)の浸潤とも相関することが判明し,血管新生がアロ免疫応答に重要な関与をしている可能性が示唆された.
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