1.PLGA粒子のin vivoにおけるモニタリングシステムの発展 PLGA particlesのモニタリングシステムを発展させた。細胞分離および蛍光強度の定量化を組み合わせることにより、投与局所における暴露濃度の推測が可能となった。また、蛍光顕微鏡下での模擬薬剤であるHoechst 33342拡散状況の視覚化が可能であった。 2.PLGA粒子のレクチンを用いた表面修飾 昨年度の検討で、経口投与による薬剤到達には粒子表面の修飾をはじめ何らかの工夫が不可欠と判断されたことから、レクチンであるWheat Germ Aggulutinin(WGA)による修飾を行った。WGAは、粘液糖鎖であるGlcNAcおよびシアル酸に選択的に結合する。予想に反し、粘膜付着性の亢進は観察されなかった。 3.PPARγアゴニストによるNa吸収促進効果 昨年度の検討で、Pioglitazoneの前処理により、LPS刺激におけるIL-1β、TNF-αのmRNA発現が抑制効果が確認されたが、今年度はもう一つの重要な働きである起電性Naチャンネル誘導によるナトリウム吸収効果の誘導能について検討した。予想に反し、mRNAの発現誘導は軽度であった。また、電気生理学的検討は震災の影響により施行できなかった。 4.大腸全摘術後の回腸嚢腸内細菌の変動 PLGA粒子の際に影響が推測される腸内細菌の変動についてEubacteria、Clostridium coccoides、Bacteroides fragilis、C.leptem、Bifidobacterium、Atopobium、Prevotella、Desulfovibrioを標的に定量的PCRを行った。糞便細菌叢は術後3カ月で劇的に変化し、中でもC.coccoidesが顕著に増加した。一方、術後2年以上経過した症例では、1年前後の経過をおいても菌数の大きな変化は認められなかった。
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