研究課題/領域番号 |
21390378
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永野 浩昭 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10294050)
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研究分担者 |
丸橋 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362725)
小林 省吾 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30452436)
竹政 伊知朗 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50379252)
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キーワード | 肝細胞癌 / 進行癌 / インターフェロン / 化学療法 / 抗腫瘍効果 |
研究概要 |
進行肝細胞癌に対するIFN併用化学療法の作用機序について検討した。 特に本年度は、本療法の抗腫瘍効果の機序の中で、治療効果予測因子と抗血管新生作用関連、に焦点を絞り、in-vivo、in-vitroの両面より検討した。 治療効果予測因子については、肝癌細胞株PLC/PRF/5にIFN-αを持続的に曝露してIFN-α耐性株を作成し,樹立した耐性株と親株の網羅的遺伝子発現解析を行った。樹立した耐性株と親株の網羅的遺伝子発現解析の結果より,耐性株において発現が有意に低下している遺伝子としてInsulini-like growth factor binding-protein 7(IGFBP7)を同定した。さらに同様の肝癌細胞株を用いたmicroRNA(miR)に関するアレイ解析によって同定されたmiR-21とmiR-146aについても、検討したところ、IFN-α耐性に関与していることが明らかになった。 このことより、IFN-α/5-FU併用化学療法の耐性にはIGFBP7、miR-21とmiR-146aは治療効果予測マーカーになり得ると考えられた。 また、抗血管新生作用関連では、nude mouseヒト腫瘍移植モデルやマウス同種腫瘍移植モデルを使用し、腫瘍内における血管新生因子(TSP、Ang、VEGF、Tie2など)のmRNAレベル(定量的RT-PCR法)及び蛋白レベルでの発現量の評価(免疫組織染色、ELISA法)を施行した結果、IFNおよび5FUは、各種血管新生関連因子(TSP、Ang、VEGF、Tie2など)の発現調節を介して、肝癌細胞に対して増殖調節能を有することが明らかになった。
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