研究課題/領域番号 |
21390381
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 雅夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30163570)
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研究分担者 |
佐藤 典宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (20423527)
大内田 研宙 九州大学, 大学院・医学研究院, 客員助教 (20452708)
冨永 洋平 九州大学, 大学院・医学研究院, 特任講師 (90304823)
当間 宏樹 九州大学, 大学病院, 助教 (80437780)
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キーワード | 膵癌 / セルソーテング / 癌間質相互作用 / 上皮間葉移行(EMT) |
研究概要 |
ヘテロな膵癌細胞集団において、予後や再発、治療抵抗性に関わる高悪性度の細胞集団を同定し、その細胞集団をターゲットとした細胞特異的な標的分子の同定を進めている。 (1)prosective isolationによる高悪性度癌細胞集団特異的表面マーカーの同定。当研究室で樹立した抗癌剤耐性膵癌細胞株とその親株とのマイクロアレイデータをもとに、化学療法抵抗性をもつ膵癌細胞集団の同定を進めている。同時に、膵癌高転移株の樹立をマウス膵同所移植モデルを用いてすすめている。現在4回の肝転移をおこしており、5回の転移後マイクロアレイにかけその遺伝子発現の特徴や、特異的表面マーカーの同定につなげ、高悪性度膵癌細胞を同定する予定である。(2)表面マーカーを用いた微量高悪性度細胞集団同定と分離。CD133陽性膵癌細胞株は増殖・浸潤・転移能が高いこと、その能力は線維芽細胞とのHGF-cMET経路を介した癌間質相互作用により増強されることを発見し報告した。このように、特定の癌細胞の進行が線維芽細胞由来液性因子により影響を受けているとの報告は今までにはなく、学会発表、論文報告により高い評価を受けた。(3)同定・純化した微量細胞集団の生物学的悪性度のプロファイリング。解析を進めたCD133以外にも新たにCD90、CD280など他の細胞表面マーカーにより細胞株あるいは手術切除組織から癌細胞を純化し、抗癌剤感受性や放射線感受性、浸潤能、転移能、癌間質相互作用、EMT関連分子発現など固形癌に特有な生物学的悪性度の検討を進めている。また前回の発見に伴い、癌間質相互作用の影響を強くうける癌細胞集団の同定も間接共培養による細胞selectionを利用し進めている。
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