研究課題
肺癌手術における遊離癌細胞について、1)新たな胸腔鏡手術対応可能な肺葉未満肺切除における断端細胞診、2)肺静脈からの回収について新たな方法を確立し、clinical implicationを検討した。1)新たな断端細胞診;長スパチュラ(30cm)のを用いて(1)残存肺側、(2)切除肺側から細胞抽出、(3)使用自動縫合器洗浄の3検体を用いて、cell spotterを用いてパパニコロウ染色下に診断し、いずれかで悪性細胞陽性の場合を断端細胞診陽性とした。陽性率はmargin distance/tumor size ratio(M/T)が1以上で2%(1/53)、1未満で25%(36/142)(p=0.001)で、M/T1以上が十分な距離出ることが、新しい方法でも確認された。2)肺癌手術時摘出肺肺静脈からの遊離癌細胞の回収を比重法CD45 negative depression法で行いパパニコロウ染色下に診断した結果、遊離癌細胞の回収率は72%(68/94)で、cluster cellsの回収も可能であった。さらに、サイトケラチン陰性遊離癌細胞は単発細胞のみ(33%)に見られた。また、24ヶ月無再発生存率は、遊離癌細胞無群(n=26)で98%、単細胞群(n=33)で94%、集塊細胞群(n=35)で64%であり、肺静脈血の遊離癌細胞の形態は再発の予測因子であり、年齢、性別、病理病期、組織型を共変量にした多変量解析で独立でした予測因子であった。
すべて 2010
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Interact Cardiovasc Thorac Surg
巻: 9 ページ: 244-239