研究課題/領域番号 |
21390391
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
美甘 章仁 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30372709)
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研究分担者 |
濱野 公一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60263787)
池田 宜孝 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60379998)
林 雅太郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (00554057)
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キーワード | 心筋再生 / メカニカルストレス / 再生医療 / 幹細胞 |
研究概要 |
最近の研究により、心臓内においても心筋幹細胞と増殖する心筋細胞の存在が認められ、自己再生修復能力を有することが明らかになってきている。その臨床事例として、Left Ventricular Assist Device(LVAD)が装着された重症心不全患者でしばしば心機能の回復が認められ、LVADから離脱できる症例が挙げられる。そこで、本研究では、内因性心筋再生を阻止あるいは誘導する因子を同定し、自己再生修復能力を生かした新たな内因性心筋再生治療の開発を目指す。本年度は、LVAD装着による心室のメカニカルストレス軽減の影響を検証するために、メカニカルストレスを軽減した心筋梗塞モデルを用いた検討を行った。C57BL/6マウスを用いて心筋梗塞モデルを作製した。梗塞心のメカニカルストレスを軽減するため、作製直後にドナー心臓として摘出し、別の正常なマウスの腹腔内に移植した。一方で、心筋梗塞モデル作製後にSham開腹したマウスを対照群とした。モデル作製後3、7、28日目に心臓を摘出し、組織学的解析を行った。対照群と比較して、メカニカルストレスを軽減した群では、心筋梗塞部の左室壁が厚く、線維化面積が減少していることがわかった(モデル作製後28日目)。また、メカニカルストレスを軽減した群では、境界領域での細胞増殖指数(Ki67陽性)の増加やアポトーシス指数(TUNEL陽性)の減少が認められた(モデル作製後3、7日目)。さらに、心筋幹細胞(c-kitまたはSca-1陽性)の数も増加していた(モデル作製後3、7日目)。以上の結果から、メカニカルストレスの軽減によって、障害心臓における内因性心筋再生が促進されることが示唆された。
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