研究課題
“臍帯血細胞移植による未熟肺血管床の発育に関する初年度研究"を行った。雌性C57/BL6マウスを用いてmonocrotaline誘発肺血管閉塞性病変を作製し、4週後に経静脈的な同種骨髄単核球細胞移植により、VEGFの発現を介して、肺血管床の増加によって末梢肺循環を改善し、肺高血圧を改善する(右室心筋重量比、肺動脈数、中膜/外径比より)ことを見いだした。目的とする異種移植実験のため、次いで免疫欠損マウスBALB/c Sle-nu/nu(homo)、BALB/c Sle-nu/+(hetero)を用いて同様の肺高血圧モデルを作成しつつある。C57/BL6マウス肺高血圧マウスに対する細胞移植から4週後の右室心筋重量比、肺動脈数、中膜/外径比による評価とともに、マウス心エコー法で肺動脈血流波形を解析し、加速時間acceleration time:AT(ms)と駆出時間ejection time:ET(ms)の比AT/ETから肺血管床評価が可能であることをみいだした。同時に、ヒト臍帯血細胞移植を行って、肺血管の新生、再生に伴って肺血管床が改善するか否か検討すべく、本施設倫理委員会の承認を得た。本研究に対する同意を得た産婦の分娩時に臍帯静脈血を採取し、CD34陽性血管内皮前駆細胞を単核球細胞層より分離して、細胞数を1×10^5、1×10^6、1×10^7、1×10^8、1×10^9/0.25mlに調整している。このヒト臍帯血細胞を免疫欠損肺高血圧マウスの眼窩静脈より異種移植し、肺血管の新生、再生に伴う肺血管床の改善を得られるか、上記方法により検討し、肺血管床改善に最も効率の良い細胞濃度を決定しつつある。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 30
ページ: 210-217
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis 16
ページ: 127-134
Annals of Thoracic Surgery 88
ページ: 418-424