研究課題
(1) 心筋への遺伝子導入の効果の検討a) Non-viral vectorおよびAdenovirus vectorを用いた心筋への遺伝子導入効率を比較検討した。新規開発したウイルスを用いないカチオン性合成ベクター(スターベクター)の心臓へのin vivo遺伝子導入効率を評価するため、当ベクターとラックZマーカー遺伝子を組み込んだプラスミドを混合し、ラットに開胸下で心筋に直接注入法による冠動脈内注入により遺伝子導入し、3日目に心筋を摘出し染色後観察した。また、通常心筋への遺伝子導入効率が高いとされているAdenovirus vectorを用いたものと比較した。開発したベクターを用いた群は心筋が濃染されており、Adenovirus vectorを用いた群と比べても少し落ちる程度であり、心筋への遺伝子導入効率が高いことがわかった。以上より開発したベクターは、心筋へのin vivo遺伝子導入に有効なベクターとなる可能性が示された。また、遺伝子導入により産生されるSERCA2a蛋白の発現をウエスタンブロット法で調べたところ、通常より約1.5倍の蛋白産生を認めた。以上より開発したベクターは、目的のSERCA2a蛋白を心筋で有効に発現させられることが示された。(2) 大動物心不全モデルでの定常流型補助人工心臓装着下遺伝子導入の効果の検討近年、臨床では定常流ポンプを用いた左心補助循環が主流であるため、同ポンプを用いた大動物心不全モデルの確立に着手した。冠動脈へのマイクロソフェア注入による微小塞栓とラピッドペーシングを併用して、4週後に心拍出量の低下した心不全状態の作成に成功した。このモデルに定常流ポンプを用いた左心補助循環を施行し、4-8週間の心不全慢性実験が可能であることが示された。
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