研究課題
従来の治療法で治療しえない重症心不全に対する心筋再生治療法の研究開発は急務である。平成22年度においては、我々が開発してきた新規の脂肪組織幹細胞を心筋芽細胞へと分化させる技術を基盤とし、脂肪組織幹細胞由来再生心筋芽細胞シートの高機能化をはかった。エラスチン遺伝子導入脂肪組織由来幹細胞シート移植を実施しその有効性を検証するとともに、nkx2.5をマーカーとして脂肪組織由来幹細胞を心筋芽細胞へと誘導する培養条件検討と薬剤のスクリーニングを実施した。エラスチン遺伝子導入脂肪組織由来幹細胞シートを心筋梗塞モデルラットに移植し、その心機能を検討したが、心駆出率ならびに左室拡張末期径に有意な改善を認めなかった。そこで、nkx2.5をマーカーとして脂肪組織由来幹細胞を心筋芽細胞へと誘導する培養条件検討と薬剤のスクリーニングを実施、4000種類の薬剤ライブラリーから1種類の薬剤が心筋トロポニンIを発現誘導することを見出したところである。次いで、重症心不全モデルブタを用いるべく、Takehara N, et al. J Am Coll Cardiol. 2008 Dec 2;52(23):1858-65.に記載の動物モデルを作成したが、心尖部のみしか梗塞ができず、かつ論文に記載された成功率は得られないことを確認、2段階梗塞作製法による新規重症心筋症モデルの作製を試みている。
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