研究課題
従来の治療法で治療しえない重症心不全に対する心筋再生治療法の研究開発は急務である。平成23年度においては、我々が開発してきた新規の脂肪組織幹細胞を心筋芽細胞へと分化させる技術を基盤とし、脂肪組織幹細胞由来再生心筋芽細胞の高機能化をはかった。nkx2.5をマーカーとして脂肪組織由来幹細胞を心筋芽細胞へと誘導する培養条件検討と薬剤のスクリーニングを実施し、低分子化合物ライブラリー(のべ約2000種類)から、添加培養により心筋マーカーであるalpha-cardiac actin、Myosin Light Chain、Cardiac troponin I,Myosin Heavy Chainのすべての発現を誘導する薬剤として"polyamine"のスクリーニングに成功し、特許出願を行った。ついで、これら薬剤誘導心筋芽細胞の有用性を確認するための大動物モデルの構築を試みた。重症心不全モデルブタを用いるべく、Takehara N,et al.J Am Coll Cardiol.2008Dec2;52(23):1858-65.に記載の動物モデルを作成したが、心尖部のみしか梗塞ができず、かつ十分なモデル作製成功率は得られないことを確認したうえで、2段階梗塞作製法による新規重症心筋症モデルの作製に成功、報告準備中である。当該モデル動物を用い、薬剤誘導心筋芽細胞の有効性を検証した。大阪大学心臓血管外科及び(独)理化学研究所と共同で心駆出率が30%~35%の重篤な慢性心筋梗塞モデルブタを作製、薬剤誘導心筋芽細胞を投与したところ、心駆出率は45%~55%に改善することを見出した。
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