研究課題
目的;頭蓋内脳表電極留置を用いて、単純・複雑な視覚刺激の認知課題により誘発される皮質電位(認知ECoG)計測を行った。認知ECoGの刺激別によるECoG反応パターンの違いを解読する。個々の患者に留置した電極位置をSPM8を用いて標準化を行い、高密度電極分布表示し、認知課題別のγ帯域活動の増加(γ一ERS)のダイナミクスのテンプレートを作成した。視覚・聴覚刺激、トリガータイミング、ECoG計測、特徴量抽出、クラス分けをリアルタイム処理を行うclosed loopの神経機能decoding装置を作成した。自動判別関数はLinear Discrimination Analysis(LDA)を用いた。方法:難治性てんかん症例に60-120チャンネルの電極を埋め込み、ECoG,計測を行った。視覚刺激はモノクロのストライプ、単語、図形(弁別・記憶課題)、顔(認知)を用いた。SPM8を用いて個人MRI脳を標準化し、その変換関数を用いて個人頭部CT(電極)に同様の座標変換を行った。1cm3内に含まれる電極数で除することで電極密度を均一化した。BCI20004台接続し64チャンネルECoG計測装置を作成し、計測コンピュータがら刺激、計測ECoGをリアルタイムにdecoding, classificationを行うシステムを作成した。結果:標準脳では文字提示後上側頭回が活動した後400-600msecにInferior frontal gyrus(IFG)にγ-ERSが特徴的であった。しかし、図形名称課題ではIFGにはほとんど活動を認めなかった。それぞれ特徴的な経時的、空間的γ-ERS変化を認めた。リアルタイムECoG処理システムを用いた計測は2例で行った。側頭葉底部の電極を用いた視覚課題クラス分けは、顔・文字、図形(chance rate 33.3%)では90%以上の正答率であった。また、Primary motor cortex上の電極を用いて3つのhand poseのクラス分けにおいても90%以上の正答率であった。解析時間は1-2秒を要した。本研究は個人の脳機能の解読法の開発と、電気刺激を行わない脳機能マッピング法の開発に大きく貢献できる。
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