研究課題/領域番号 |
21390407
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤井 幸彦 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40283014)
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研究分担者 |
中田 力 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50281720)
大石 誠 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (00422593)
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キーワード | 片麻痺 / 脳機能再構築 / 機能回復 / fMRI / NIRS |
研究概要 |
本邦だけで100万人を越すといわれる片麻痺患者の治療は、近代医学において取り残された分野である。Brain Machine Interface (BMI)が有効であることは明らかであるにもかかわらず、この分野で大きな進展が見られない最大の理由は、臨床実践研究の欠如である。臨床研究である限り非侵襲性は絶対的要素となり、かつ、皮質機能の再構築が日々進行する器質性疾患では、正常脳で蓄積された生理学的知見は役にたたない。臨床実践研究には、個々の患者で脳の使い方を詳細に検索でき、かつ、その信号をreal timeで取り出すことの出来る、非侵襲性技術が必須である。この臨床実践への高いハードルを越えた技術がfMRI guided NIRS(機能的MRI誘導によるNear InfraRed Spectroscopy)である。本プロジェクトの最終目標は、「埋め込み型NIRS probe」を用いたBMIによる皮質下片麻痺治療の開発であるが、段階的に研究を遂行する。今回申請した3年間の研究では、皮質下片麻痺患者に、麻痺した上下肢に「意志が伝わる」という実感を持ってもらうことを目標とする。本年度は、補正予算で導入された48チャンネルNIRSを本研究遂行のために最適化する作業を行った。その一環として、多チャンネルNIRSによる還元型ヘモグロビン量の変化と脳波計による運動関連皮質電位の変化を同時に計測する方法を開発した(大石・藤井が担当)。この方法を用いることにより、随意運動準備から実行までの前頭葉における電気生理学的活動と脳血流反応の経時的変化を捉えることが可能となった(昨年度整備した画像統計解析環境および本年度購入した統計・電気生理学的解析ソフトを使用)。今後の研究遂行に本方法は有用と思われる。また研究計画の倫理委員会の承認を得られ、平成23年度には、種々の脳疾患患者に研究参加を求めていく予定である(藤井・中田が担当)。
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