研究課題
本プロジェクトの最終目標は、「埋め込み型Near-Infrared Spectroscopy (NIRS) probe」を用いたBrain Machine Interface (BMI)による皮質下片麻痺治療の開発であるが、段階的に研究を遂行する。今回申請した3年間の研究では、皮質下片麻痺患者に、麻痺した上下肢に「意志が伝わる」という実感を持ってもらうことを目標とする。最終年度である本年度は、NIRSを用いて「意志を捉える」ことを以下の方法で検証した。1)NIRSと脳波の同時記録により随意運動時における運動関連電位を用いて検討した。右手指の随意pinchタスクにおいてNIRSと脳波の同時記録を行い、運動準備期から実行期にかけての脳活動を捉えることが可能であった。また両側前頭前野および背側運動前野における運動準備期脳活動から、対側感覚運動野の手指領域における運動実行期脳活動に至るまでの経時的な脳活動描出が可能であった。これらの結果から、運動機能においてNIRSで、「意志を捉えられる」ことを事象関連脳活動の観点から検証出来た。2)NIRSを用いた運動性言語機能および感覚性言語機能の評価と、和田テストの結果との相関を検討した。verb generation taskとstory listening testを用い、左右の言語野(Broca領域とWernicke領域)における総ヘモグロビン濃度変化を測定した。全例で左側優位の血流増加を認め、和田テストと完全に一致した。これにより、言語機能においても、NIRSを用いて「意志が捉えられる」可能性を示した。3)硬膜下電極刺激に伴う脳血流反応をNIRSを用いて検討した。50Hzの皮質刺激では、刺激部位において血流変化を全施行で認めた。血流反応は刺激直後から生じ始め、5~8秒でピークを迎えた。特にWernicke野上の電極に対する刺激においては、刺激部位のみならずBroca野においても有意な血流上昇を認めた。このことより、NIRSの変化が意志を反映していることを直接皮質刺激から検証した。以上の結果から、NIRSで「意志を捉えられる」ことが検証され、「意志が伝わる」実感を持って貰うことが可能であることが示唆された。
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