研究課題/領域番号 |
21390409
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50220835)
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研究分担者 |
夏目 敦至 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30362255)
鈴木 正昭 独立行政法人理化学研究所, 分子イメージング科学研究センター, 副センター長 (90093046)
古山 浩子 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (50402160)
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キーワード | 脳腫瘍 / 分子イメージング / MGMT / PETトレーサー |
研究概要 |
悪性脳腫瘍、特に膠芽腫が化学療法に不応である大きな原因のひとつは、化学療法剤に対する耐性機構であり、近年その解明に向けて精力的に研究が散見される。癌腫に広く使用されるアルキル化抗癌剤の抗腫瘍効果はDNA中の0^6-methylguanine(O^6-meG)の形成によるところが大きいが、O^6-meGはO^6-methylguanine-DNAmethyltransferase(MGMT)により修復されてしまう。近年、このMGMTが分子標的として注目されており、いかにMGMTの発現・誘導を抑制するかが治療上の鍵となっていて、本酵素活性を不活化する試みが世界中で検討されている。本研究ではMGMTを非侵襲的にイメージングすることを目的とし、MGMTの基質として知られているO^6-ベンジルグアニンの誘導体である4つの化合物を合成し、MGMTとの親和性を測定している。その中で、MGMTの脳内イメージングを行うために、高速C-メチル化反応を活用したO^6-ベンジルグアニンPETプローブの開発に向けた合成研究を行った。具体的には、O^6-ベンジルグアニンメチル化誘導体を合成し、MGMTに対する構造活性相関研究を行った。つづいて、活性を示す誘導体に^<11>Cあるいは^<18>Fを導入するための前駆体を合成し、実際のPET装置での合成をシミュレートしたコールド条件でのメチル基導入反応を検討した。加えて、O^6-ベンジルグアニンの脳内移行性を検証するために、PETトレーサーとして高速C-メチル化反応の活用を考慮して[^<11>C]メチル基を導入したグアニン誘導体-を設計し、そのコールド体を合成する。加えて、O^6-ベンジルグアニンの脳内移行性が乏しい場合を考え、官能基への保護基の導入による膜透過性の向上、およびトランスポーター機能を活用した分子構造変換による脳内移行性賦活を期待したプロドラッグを設計した。
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