研究課題/領域番号 |
21390411
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
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研究分担者 |
地藤 純哉 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50534161)
横井 俊浩 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20573182)
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
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キーワード | 脳動脈瘤 / 動物モデル / 薬物治療 / MR画像 / 分子イメージング |
研究概要 |
本年度においては、1)ラット脳動脈瘤破裂誘発モデルの開発とラビット・サル脳動脈瘤モデルの解析システムの確立、2)脳動脈瘤形成から破裂に至る各段階での脳動脈瘤壁内の細胞群における遺伝子発現、3)脳動脈瘤形成から破裂に至る各段階での脳動脈瘤壁におけるプロテオミクス解析を中心に進めた。ラット脳動脈瘤モデル(Hashimoto N et al Surg Neurol 10:3-8,1978)を用い、血行力学的ストレスを追加する、ないしは、炎症反応を惹起することにより破裂率を上昇させることを検討した。また、ラビット、サル脳動脈瘤誘発モデルにおいて、発生増大に関わる因子として、ラットモデルで重要性が証明されているマクロファージの浸潤につき画像化の可能性を検討した。ラット、カニクイザルを用いて脳動脈瘤モデルを作成し、脳動脈瘤発生増大の形態的変化の過程を、おもに7T-MRにて画像追跡するが、昨年度において行ったラット、サルにおけるMR撮像条件の設定の再確認とMR trackingの至適条件の確立を行った。また、脳動脈瘤壁で特に破裂に至る過程で変動する遺伝子群を解析し、ラット脳動脈瘤摘出標本から抽出したたんぱく質を用いて発現解析を行った。本年度でラット、サルの7T-MRA撮像条件が確定し、特にサルにおいては脳動脈瘤作成前の撮像を終了した。現在、脳動脈瘤誘発処置を進行中である。さらにstatin製剤を投与後1ヶ月の採血データを収集し安全性を確認した。ラットにおいては、炎症抑制剤を投与し、脳動脈瘤発生・増大に及ぼす影響を分子生物学的および組織学的に検討した。結果として、ある種の抗炎症剤が炎症カスケードを有意に抑制し、かつ脳動脈瘤発生・増大を抑制することがわかった。
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