研究概要 |
本年度は、全脳虚血モデルでの線条体細胞死モデルでの研究を発展させ、EGF/FGF-2の投与によって再生する線条体神経細胞の表現系の研究を行った。その結果、再生細胞の成熟過程において介在神経細胞であるparvalbumin, ChAT陽性細胞の再生が12週間までの長期において虚血前値まで回復しえることが分かった。また、BrdU陽性細胞も有意に増加しており、線条体での神経細胞の再生は長期的現象として捉える必要があることも判明した。 また、Notchの解析では、Notch情報伝達系の抑制によって神経分化促進が得られ、最終的な神経細胞数も増加することが分かった。 一方、局所モデルでの解析を優先して、モデルの検証を行った。マウス、ラット等の多数のモデルを行った結果、定量的なモデル再現が非常に困難であることが判明した。脳血流、60分虚血での梗塞巣の測定を行いつつ、Sprague Dawley, Wistar, Spontenous Hypertensive Rat (SHR)を用いて、糸あげモデル、中大脳動脈直接閉塞モデル、前記に頸動脈一過性閉塞モデル、などの様々な方法を用いた。その結果、CBF値だけのScreeningでは定量的モデルの確立は困難であり、最も再現性の高い梗塞巣を60分虚血で作成するには、SHRを用いたモデルが最適であることが分かった。次年度以降は、SHRを用いたモデルにて様々な神経再生研究を行う予定である
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