研究課題
変形性膝関節症は、関節軟骨の変性と骨棘形成に特徴づけられる関節疾患で、加齢によりその発症率は上昇する。わが国では65歳以上の高齢者の22%が変形性膝関節症に罹患していると考えられ、高齢社会の進展と相まってその患者数は増加の一途をたどっている。しかしながら発症原因は未だ解明されておらず、根本治療もないのが現状である。環境要因と遺伝的素因が組み合わさって発症する多因子性疾患と考えられており、この疾患の遺伝的素因を解明するため、3,040名の参加者から構成される住民コホートから採取した検体を用いて主に血縁者を対象とした遺伝子解析を行った。この住民コホートは、地域特性の異なる都市部・農村・漁村の3つの地域から構成されており、ここから141例を抽出した。これら対象者のゲノムを血液より抽出、90万箇所のSNP(一塩基多型)及びほぼ同数箇所のCNV(コピー数多型)に対応するマーカーが搭載されているDNAチップGenome-Wide Human SNP Array 6.0(Affymetrix社)を用いたジェノタイピングを実施、本年2月に終了した。対象141検体のうちCall rate 97%以上の結果が得られたものは127検体であり、タイピング成功率は90%であった。このデータをアレル頻度、Hardy-Weinberg平衡、SNP Call rate等でフィルタリング後、対照群600例と比較するゲノムワイド関連解析のための統計学的解析を現在実施中である。本年度は、ここから抽出されたSNPを異なったサンプルセットを用いて、当教室で開発した新規ジェノタイピング法DigiTag2によるreplication studyを実施し感受性多型を同定する。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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