研究課題/領域番号 |
21390418
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
|
研究分担者 |
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20401391)
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 寄附講座講師 (90451971)
|
キーワード | 骨髄間葉系細胞 / 継代培養 / 細胞増殖 / 分化能 / 骨再生 / マイクロアレイ |
研究概要 |
巨大骨組織を再生するためには大量のMSCを移植する必要があるだけでなく、MSCの骨形成能が高い必要がある。MSCは骨髄穿刺液を培養するだけで増殖し容易に得ることができるが、その細胞ソースは単一ではなく、heterogenousな細胞集団である。従って、骨形成能の高い細胞から低い細胞まで様々なポピュレーションが含まれる。また、数多くのMSCを得るために継代培養を繰り返すと、分化能が低下するといわれている。本研究の目的は、継代培養のMSCへ与える影響を検討し、大型骨組織の再生に用いるのに適したMSCを獲得すること、およびそういったMSCを評価する方法を確立することである。 本年度、我々は股関節手術の際に骨切り部から骨髄液を穿刺し、MSCの培養を行った。継代培養を行うことで第5継代までのMSCを得て、第1継代と第5継代のMSCの分化能の比較を定量的PCR、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性、石灰化の評価を用いて行った。21検体について検討を行ったが、当初の予想通り、第1継代では分化能が高く、第5継代で極端に分化能が低下する検体や、第1継代、第5継代とも比較的分化能が維持されている検体、第1継代、第5継代とも分化能が低い検体などがあることが確認されたが、第5継代で分化能が向上する検体は認めなかった。この結果、通常の培養法では、ほとんどのMSCは継代用とともに分化能が低下することが確認された。 継代培養後によってMSCの遺伝子発現の変化を検討することは、培養法を改良するうえで重要である。そこで、上記検体のうち14検体について、第1継代と第5継代のMSCの遺伝子発現に関して、マイクロアレイで比較を行った。その結果、ほぼ全検体で共通して継代とともに増加する遺伝子と低下する遺伝子を確認できた。今後は、各遺伝子につき詳細な検討を進めていく。
|