研究課題/領域番号 |
21390420
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
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研究分担者 |
近藤 玄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (40243258)
加藤 友久 京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (50301247)
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キーワード | 滑膜肉腫 / 神経堤 / 融合遺伝子 / ノックインマウス |
研究概要 |
代表的な軟部肉腫である滑膜肉腫の細胞起源について、我々がこれまで提唱している神経堤由来細胞説を実証するために、マウス発生工学を駆使したアプローチにより神経堤由来細胞より滑膜肉腫を発生させることを目指した。そのために米国ユタ大学M.Capecchi博士らが作成したROSA遺伝子座に滑膜肉腫特異的融合癌遺伝子であるSYT-SSX遺伝子が組み込まれ、その発現がCre遺伝子の発現に依存するマウス(ROSA-SSM2マウス)と、Cre遺伝子が神経堤関連遺伝子の発現で作動するマウスとの交配実験を行った。 1. ROSA-SSM2マウスとPO-Creマウスの交配実験:まず代表的な神経堤関連遺伝子であるPO-Creマウスと交配させる実験を行った。結果として、ROSA-SSM2/PO-Creマウスは、出生直後に死亡し.形態学的に、頭部及び顔面に著しい異常が認められ、精査の結果頭蓋骨及び顔面骨が殆ど形成されていないことが判明した 2. PO-CreERIMマウスの作製:上記の結果より、発現誘導可能なマウスの系を用いる必要があると判明したため、Tamoxifen投与により発現誘導可能なPO-CreERTMベクターを構築し、トランスジェニックマウスを作製した。現在、Cre遺伝子の発現がPO遺伝子の発現パターンと一致しているクローンを選択中である。 3. FZD10-CreERマウスの作製:我々が同定した滑膜肉腫特異的マーカーであるFZD10を用いた実験系を計画し、そのためにFZD10-CreERTM発現ベクターを構築し、これもトランスジェニックマウスを作製した。現在、Cre遺伝子の発現がFZD10伝子の発現パターンと一致しているクローンを選択中である。 平成23年度は上記のマウスにおける腫瘍発生に関して解析する予定である。
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