研究課題/領域番号 |
21390422
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三浦 裕正 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10239189)
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研究分担者 |
中西 義孝 熊本大学, 工学部, 教授 (90304740)
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キーワード | 最小侵襲手術 / 関節鏡 / 人工膝関節置換術 / ボックストレーニング / シミュレータ |
研究概要 |
本研究の目的は、安全で正確な手術を実現するために関節鏡および最小侵襲人工膝関節置換術の技術開発を行うとともに、効率的なトレーニングシステムを構築し、情報発信やトレーニングセミナーを通じて、その成果を全国の整形外科医に還元し,わが国の整形外科低侵襲手術のレベルアップに寄与することである。 1.Training boxの製品化と効率的なトレーニングシステムの構築 株式会社マルイとの共同開発によって、Training boxの製品化(商品名:ASBOTS)を完了した。本製品の研究開発によりコンピュータ外科学会論文賞および日本機械学会賞を受賞した。また、各地での講演におけるデモンストレーションを通じて本装置の有用性をアピールしており、現在数施設からの導入依頼が来ている。 2.VRシミュレーションにおける力覚フィードバックの確立 市街地歩行用ナビゲーションシステム(力覚ディスプレイ)の開発過程で得られたノウハウ(違和感をもたせることなく、伝えたい感覚のみを増幅伝達)をベースに半月板の切断感覚を再現できるシステムの試作と検討を行った。 3.低侵襲手術教育拠点形成 愛媛大学医学部解剖学教室との連携により解剖実習用献体を用いた手術トレーニングセミナーを実施した。また愛媛県との連携により学内に設置された地域医療支援センター内に、新たに関節鏡シミュレーターを導入し、学生の関節鏡への興味の喚起や研修医の手術手技の向上を図っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
膝関節鏡用training boxについては民間企業との連携により、試作モデルを経て、ASBOTSの製品化を完了した。この実績により2011年の日本機械学会賞および日本コンピュータ外科学会論文賞を受賞するなど高い評価をうけている。さらに手術教育拠点形成に関しても、解剖学教室との連携を通じて愛媛大学において整形外科研修医を対象としたセミナーを実施、手術手技向上に有効であることを確認し、また参加者からも高い評価を得るなど実績を上げている。
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今後の研究の推進方策 |
愛媛大学では既存施設として低侵襲手術トレーニング施設を有しており、低侵襲手術を推進するための基盤が整備されている。さらに解剖学教室の連携が実現し、アルコール固定屍体や新鮮凍結屍体が使用可能となったことにより、これまでのtraining boxやVRシミュレータ、アニマルラボでのトレーニングに加え、より複合的かつ系統的なトレーニングが可能となり、新たな環境下での飛躍的な研究の展開と手術教育拠点形成の実現性が期待できる。
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