研究課題
骨リモデリングは,破骨細胞による骨吸収と,それに続く骨芽細胞による骨形成からなる一連のプロセスである。本研究では、破骨細胞、骨芽細胞、さらに骨基質に埋まっている骨細胞の細胞間相互作用に係る分子群を対象に、以下の作業仮説に従い骨リモデリング機構を解明した。【作業仮説1】膜タンパクであるephrinA2と、その受容体であるEphA2あるいはEphA4との相互作用が骨リモデリングを制御する。【作業仮説2】授乳期に母乳にカルシウムを動員するにあたり、骨表面の破骨細胞と骨細胞との相互作用が起き、骨細胞による骨融解がおこる。さらに、様々な条件下で、Fra-1,OPGなど、骨リモデリングに関わる分子の挙動を解析した。平成23年度に追究した、EphA2ノックアウトマウスとEphA2阻害剤などを利用した、A型ephrinの生体内における機能について、追加実験を行った。特にA型ephrin-Ephの遺伝子改変マウスから摘出した長管骨の解析で、サンプル数を統計解析に十分な数まで増やしてマイクロCTと骨形態計測を行い、再現性を確認できた。さらに、EphA2の低分子インヒビターに加えて、ペプチドインヒビターを用いた実験を行い、骨器官培養における知見の再現性を確認した(米国骨代謝学会招待講演。論文再投稿準備中)。また骨硬化症を発症するFralトランスジェニックマウスでは、間質性肺炎を発症することから、イレッサの副作用の作用機序を解明した(論文投稿中)。さらに高輝度放射光施設SPring-8(兵庫)でX線微分位相顕微鏡を用いた3次元再構築データを引き続き解析し、学会発表を行った(論文準備中)。
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臨床検査
巻: 55巻 ページ: 1497-1502
Oncogene
巻: 30 ページ: 3821-32
doi:10.1038/onc.2011.101
http://www.matsuo-lab.com
http://www.gcoe-stemcell.keio.ac.jp/member/matsuo.html