研究課題/領域番号 |
21390430
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
廣田 和美 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238413)
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研究分担者 |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (80250603)
吉田 仁 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00374843)
大川 浩文 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40322953)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2012
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キーワード | 睡眠障害 / 加齢 / ラット / 全身麻酔 / 神経生理活性物質 / 鎮静 / オピオイド |
研究概要 |
今回の研究において、加齢による睡眠障害をラットで確認しようとしたが、成年ラットと高齢ラットで各睡眠ステージの長さ、つまり、質と量で差を認めなかった。麻酔後睡眠障害に関して、どのタイプの麻酔関連薬剤(GABAA受容体活性型麻酔薬[GABA型麻酔薬]、NMDA受容体抑制型麻酔薬[NMDA型麻酔薬])が、睡眠障害を起こすのかを解析したところ、GABA型麻酔薬プロポフォールでは術後の睡眠障害は明確ではなかったのに対し、NMDA型麻酔薬ケタミンでは麻酔後2、3日目にREM睡眠の頻度が有意に増加した。これは、成年ラット、高齢ラットどちらでも同様の変化であった。一般的に、術後2日目以降になるとレム睡眠が回復し、術前よりもレム睡眠が顕著に増加するが、このREM睡眠の増加が術後の呼吸・心血管系合併症の原因とされる。このため、ケタミン麻酔後の睡眠障害は術後睡眠障害のモデルとなることが分かった。更に、この麻酔後睡眠障害が、内因性覚醒物質であるオレキシンAやニュローペプチドSの投与で治療できることがわかった。このため、オレキシンAやニュロペプチドSのアナログで、全身投与で分解されずに中枢に作用する物質が開発できれば、術後睡眠障害の治療薬となりうる。
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