研究課題/領域番号 |
21390437
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荒井 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50193058)
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研究分担者 |
伊藤 明宏 東北大学, 病院, 講師 (70344661)
三塚 浩二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80568171)
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キーワード | 前立腺癌 / PSA / RM2 / ハプトグロビンβ鎖 / 糖鎖マーカー |
研究概要 |
前立腺癌の腫瘍マーカーPSAは、良性疾患でも高値を示すだけでなく前立腺癌の組織学的悪性度を反映していないなどの問題点があり、新たな優れた腫瘍マーカーの開発が望まれている現状である。RM2は、申請者らが糖鎖抗原に対する抗体として作成したものであるが、前立腺癌組織では、悪性度を反映して前立腺癌細胞に反応することを見い出し、これまでの少数例の患者血清を用いた検討では、良性患者よりも前立腺癌患者で反応レベルが高いという結果が得られている。さらに、RM2抗体の認識蛋白を解析した結果、癌由来のハプトグロビン6鎖に選択的に反応することが判明し、RM2が認識するハプトグロビンβ鎖(RM2-ハプトグロビン6)が新しい腫瘍マーカーになり得る可能性が期待されている。 そこで昨年度は、前立腺生検を行った200例に対して、前立腺癌と診断がついた82例と、前立腺癌が否定された118例の患者それぞれの血清を用いて、PSA濃度とハプトグロビン濃度を市販ELISAキットを用いて測定した。ハプトグロビンは型により基準濃度範囲が異なるため、電気泳動で型を確認したが、(1)前立腺癌患者と非前立腺癌患者において明らかな差は認めず、(2)前立腺癌患者血清において、前立腺癌の悪性度を反映するGleason scoreとハプトグロビン濃度との間には明らかな相関は認められなかった。そこで、現在、前立腺生検組織でのRM2糖鎖抗原の発現と臨床像との関連を検討すべく、組織を用いた免疫染色法に着手し進行している途中である。前立腺針生検組織でのRM2糖鎖マーカーの発現が、その後の臨床像を予測可能となれば、新たなる糖鎖バイオマーカーとしての有用性が見いだせるものと期待される。
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