膀胱がんの発症リスクファクターとして喫煙はすでに知られている要因である。 しかしながら、喫煙が発症年齢に対してどのように影響し、その予後にも影響を及ぼすかどうかは知られていない。 本研究の目的は、喫煙状況に加え膀胱癌発症時の病期と、その後の治療、予後について調査を行ない喫煙と膀胱癌の治療成績及び予後との関係を明らかにすることである。 平成21年より筑波大学において予備調査を行なった。予備調査により、診断に関する情報(初発症状、診断時年齢、診断日、組織型、グレード、TNMステージ)、治療と予後に関する情報(治療前病期、治療内容、治療に伴う合併症、治療効果判定結果、再発の有無、再発を認めた場合の再発日、最終予後、死亡例の死亡日、死因、生存例の最終生存確認日)が診療録より問題なく取得できることを確認した 次に、喫煙に関する情報や既往歴、家族歴に関する情報を取得する方法を検討した。京都大学医学部付属病院において、外来診療初診時に問診票を使用して様々な情報を取得するが、電子カルテシステムが導入されているため手書きの情報を容易に電子カルテに取り込むシステムを導入する必要あった。そこで、問診票の手書きデータを電子カルテに取り込むシステムを作成し、試験的に運用した。問診票に記入する書式を確定し、2回の入力テストによって認識エラーをゼロにすることができた。 平成22年度は問診票発行、読み取りシステムの汎用化のために京大病院とはネットワーク環境が別の医学研究科(薬剤疫学)においてシステムを構築し、京大病院と同様のシステムが運用可能であることを確認した。 個人情報を除いた形での、全国からデータ収集するツールを設計した。具体的には、レンタルサーバーを契約し、そこにIDとパスワードでログインしてデータを入力するシステムとした。現在入力項目の最終チェックと項目間のロジカルチェックを行い、データ収集を行っている。
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