研究課題
前立腺がんの発生や進展機構の解明のために、細胞の上下左右を決定し、維持する極性関連分子の役割について、プロテオミクス解析により解明を試みた。細胞極性を維持するために重要な分子であるaPKCの機能について、正常前立腺細胞に対して活性型のaPKCや不活性型のaPKCを発現するプラスミドベクターを遺伝子導入し、aPKC遺伝子が安定発現している細胞株を作製した。得られた細胞株を用いて、その増殖能やがん化への関与について検討した。また、その細胞株よりタンパクを抽出し、リン酸化ペプチドを特異的に検出するプロテオミクス解析を行うことにより、活性型aPKCが発現している場合や不活性型aPKCが発現している場合に変動しているタンパクのリン酸化状態について検討した。細胞の増殖能の変化について検討した結果、正常前立腺細胞株に活性型のaPKCを発現させることにより、コントロールの細胞株と比較して増殖能が高くなった。一方で、不活性型のaPKCを発現させた細胞株では増殖能がコントロールと比較して低くなった。プロテオミクス解析からは多くのタンパクの発現変動及びリン酸化状態の変化が明らかとなった。特に、がんの発生や進展に関与する可能性を持つタンパク群のリン酸化状態の変動を認めた。
すべて 2011
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