●各血液悪性疾患のヒト白血病モデルNOGマウスの作成 平成24年度に引き続き白血病細胞へのGFP導入とモデルマウスへの白血病細胞の移植生着の確認をした。 GFP導入効率は極めて低値で患者ごとにも差が見られた。導入を確認できた白血病細胞を幼弱NOGマウスに投与したが、その生着率も患者(細胞群)ごとに差異がみとめられた。 ●モデルマウス体内での白血病細胞の挙動の検討 組織学的な検証と他NOGマウスへの移植による生存性の検証によりモデルマウス卵巣へのヒト白血病細胞の混入を検討した。 具体的には採取卵巣のstep serial sectionを作成の上、移植前標識したGFPをターゲットとした蛍光励起下観察、免疫組織化学法、ISH法にて移植腫瘍細胞の存在を同定をこころみた。しかし、上述のように、患者ごとに定着率が大きく異なり現在までに卵巣にどの程度のリスク(確率)で白血病細胞が混入するかのデータに関しては本年度も明確な結論は得られなかった。 生存性の検証法としてモデルマウス卵巣を別のNOGマウスに移植、6週間の生着期間のちホストマウス骨髄を採取して疾患発症の有無を検討しているがこの件に関しても、いまだ明らかな知見は得られていない。 ●生殖補助技術シミュレーションによる白血病細胞混入の検討 現在、モデルマウスの卵子、卵丘塊を用いて体外受精のシミュレーション、ICSIのシミュレーションを施行している。 受精卵は別のホストNOGマウスに移植される。16週ののちマウス骨髄での腫瘍細胞の有無を検討したが明らかな腫瘍細胞はみとめられなかった。
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