研究課題/領域番号 |
21390450
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井上 正樹 金沢大学, 医学系, 教授 (10127186)
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研究分担者 |
京 哲 金沢大学, 医学系, 講師 (50272969)
高倉 正博 金沢大学, 附属病院, 助教 (20313661)
中村 充宏 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (50377397)
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キーワード | Circulating tumor cell / Cancer screening / Telomerase / hTERT / Tumor-lysing virus / Gynecologic Cancer |
研究概要 |
分子標的薬の発達により癌の遺伝子変異や癌細胞内情報伝達系の解明はその治療の面においても重要性を増してきている。特に、微小検体を用いた非侵襲性の検査法の開発は重要である。しかしながら、微小検体には病変部が含まれ可能性は減少する。そこで、効率よく腫瘍細胞を補足し細胞内遺伝子情報を検出するシステムの開発が望まれる。 2011年度はGFP発現型テロメラーゼ依存性腫瘍溶解ウイルス(OBP-401)によってGFP発光させ、肉眼的に可視した末梢血液中の腫瘍細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)を顕微鏡観察下に超微量ピペットで単離し、一個の腫瘍細胞の遺伝子解析を行うシステムの解析を目指した。 原発巣のHPVtypeデータが得られている子宮頸癌患者(初発・再発患者とも含む)よりインフォームド・コンセントのもとに得られた末梢血5mlを溶血処理後、OBP-401を感染させた。24時間インキュベーション後に白血球を除外するためにCD45(白血球共通抗原)蛍光ラベルを追加し、GFP陽性かつCD45陰性の細胞を蛍光顕微鏡下に微小ピペットにて回収した。Whole Genome Amplification法にてゲノム増幅後、HPV consensusprimerにてPCR・制限酵素反応を行いHPV-genotypingした。末梢血からのCTC回収が可能であった5例では全例において原発巣とCTCにおいて一致したtypeのHPVゲノムが検出された。以上より単一の末梢血中腫瘍細胞を回収しそれを用いて遺伝子解析を行うことが可能であった。今後はゲノム上の遺伝子変異の解析に耐えるようシステムに改良する。本法は様々な腫瘍での応用が可能であり、生検不能な深部病変の診断、治療法決定や癌の早期診断、非侵襲性のがん検診等に有用であると考えられる。
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