研究課題
胎盤形成までを含む広義の着床現象が正常におこる事が妊娠の成功の鍵である。妊娠にかかわる病態の多くは妊娠の後期に起こるが、その原因は妊娠のきわめて初期の段階である着床過程にあると考えられている。つまり、不妊症だけでなく、妊娠中におこる病態、妊娠高血圧症候群やpretem premature rapture of membrane (pPROM)、intrauterine growth restiriction (IUGR)等はこの妊娠現象の早期におこる着床現象の何らかの異常により引き起こされると考えられている。そこで本研究では、効率のよい不妊治療、および妊娠に係わる病態の治療に反映する事を目的として、胎盤形成までの広義の着床現象に対してこれをリアルタイムに低侵襲に評価することができるシステムの構築をマウスを用いて行ってきた。不妊治療の治療効率を向上させるためには現在ブラックボックスである受け入れ側の子宮の着床能を前方視的に評価し、その月経周期ごとの治療方針に反映させなければならない。これまで血中プロゲステロンレベルおよび超音波下における子宮内膜の厚みの測定がされてきたが、これらのパラメーターに問題がなくても妊娠に至らない症例があまりに多い。これらが前方視的に子宮の着床能を評価するのには不十分であると言われてきた。我々は本研究において、非侵襲的にかつ前方視的に子宮の着床能を評価する電気生理的なパラメーターを発見した。我々の作製したヒト着床不全不妊症モデルマウスを用いた検討において、これらパラメーターにより、90.9%の前方視的な子宮の着床能を予期する事に成功した。そして、これを特許出願した。今後、これを臨床応用していく事、さらに妊娠高血圧症候群などを標的としたパラメーターの検索をさらに行う。
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