研究課題/領域番号 |
21390457
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 俊光 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80133958)
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研究分担者 |
大島 猛史 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40241608)
日高 浩史 東北大学, 病院, 講師 (40302103)
川瀬 哲明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (50169728)
野村 和弘 東北大学, 病院, 助教 (60466563)
鎌倉 慎治 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80224640)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 耳毒性 / ダプトマシシン / ABR / モルモット |
研究概要 |
昨年度までの内耳への器質的な内耳破壊につづいて、今年度は薬剤を用いた内耳破壊、内耳毒性に対する検討をおこなった。実験はハートレーモルモットを用いて、抗生剤“ダプトマイシン”の内耳毒性を検討した。蝸牛機能はABR(tone burst: 4000Hz,8000Hz, 16000Hz, 32000HZ)の測定で評価した。ハートレーモルモットの鼓膜に経鼓膜換気チューブ(高研 Dタイプ)を留置し、ABRにて聴力を測定した。聴力測定後、留置した鼓膜換気チューブ経由で鼓室内にダプトマイシン0.1mlを1日2回投与した。鼓室内投与は1週間行った。鼓室内投与終了から一週間後(最初の鼓室内投与から2週間後)に、ABRにて聴力を測定し、鼓室内投与前のABRでの各周波数の閾値と比較し、統計学的に検定した。陰性コントロールは生理食塩水の鼓室内投与群、陽性コントロールはゲンタマイシンの鼓室内投与群とし、各群とも同様に鼓膜換気チューブを留置し、1日2回1週間の鼓室内投与を行った。結果として、ダプトマイシンの鼓室内投与群は陰性コントロール群と比較して、16000Hzにおいて有意な閾値上昇がみられた。その他の周波数では有意な閾値上昇はみられなかった。このことにより、ダプトマイシンの鼓室内投与による蝸牛への耳毒性が示唆された。形態学的に有毛細胞の評価、内リンパ電位(EP)などの電気生理的評価が今後必要と思われる。また、ハートレーモルモットをもちいて人工内耳疑似電極挿入に対する蝸牛機能の変化を検討した。電極挿入を想定した種々の条件で蝸牛に操作を加え、内耳機能をEPにて評価した。鼓室階への吸引操作ではEPに変化はみられなかったが、疑似電極を蝸牛軸方向に挿入すると有意なEPの低下がみられた。聴力温存を目的とした人工内耳の電極挿入については、より慎重な挿入が求められることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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