研究課題/領域番号 |
21390461
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 総一郎 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (20200157)
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研究分担者 |
工 穣 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70312501)
中田 誠一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (10324435)
原 浩貴 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90274167)
岡 靖哲 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60419025)
遠藤 誠 東京慈恵医科大学, 医学部, 助教 (10328297)
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キーワード | 小児 / 睡眠時無呼吸症候群 / スクリーニング / PSG検査 / 診断基準 |
研究概要 |
1小児睡眠呼吸障害の疫学調査 滋賀県草津市のT小学校1、2年生194名を対象に小児の睡眠時無呼吸症候群と有病率に関する調査を実施した。測定項目は、携帯型睡眠ポリグラフ装置によるRDI値と、分担研究者(岡靖哲)作成の児童睡眠チェックリストおよび、小児睡眠時無呼吸症候群用Quality of Life質問票(OSA-18日本語版)を行った。その結果、児童睡眠チェックリストからは、「いつもないし時々いびきをかく」は12.9%、「無呼吸の疑われる頻度」は2.6%、「授業中の眠気」は3.1%であった。質問票OSA-18は平均28.4点(18~65点)であった。RDIが1未満52.9%、1~2未満23.5%、1~3未満13.5%、3~4未満が4.7%、4以上は5.2%であった。 2睡眠呼吸障害診断のための、ビデオ撮影の有用性に関する研究 ホームビデオは近年、家庭に広く普及しており、小児睡眠呼吸障害に対するスクリーニング検査が有用との報告はあるが、確固たるエビデンスが存在しない。そこで、本年度は小児OSAS疑い症例に対して終夜睡眠ポリグラフ(n-PSG)と同時にビデオ撮影を行い、PSGパラメータとの相関を検討した。 ビデオ撮影から得られた観察得点は、同時記録されたPSGにおける呼吸障害関連指標との間に有意な相関関係が認めた。今後、ビデオ撮影を小児睡眠呼吸障害のスクリーニングとして用いるためには、観察方法をより明確にし、症例数を増やし、前向き研究を行う必要があると考える。 3小児におけるスクリーニング装置の精度評価 在宅検査34例(記録不良3例)、検査室でのPSG同時検査28例(記録不良4例)を実施した。スクリーニング装置(PMP300e)と睡眠ポリグラフ装置における総睡眠時間、1時間当たりの無呼吸低呼吸指数、1時間当たりの3%酸素飽和度低下回数(ODI3)の相関係数は、それぞれ0.89、0.88、0.58であった。ODI3の相関係数は低く、酸素飽和度測定単独でのスクリーニングは困難であると考えた。スクリーニング装置内蔵の加速度センサーを用いて睡眠中の体動を測定し、総睡眠時間をある程度推測可能であった。本装置(PMP300e)は、小児睡眠呼吸障害スクリーニングに有用と考える。
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