研究課題
本研究の目的は、5年生存率30%と予後不良な頭頸部癌進行癌へのあらたな治療の試みとして、制限増殖型アデノウイルスベクターに抗腫瘍効果を持つ遺伝子を付加し、生体のアデノウイルスに対する中和抗体効果を減じる目的のため、キャリア細胞を用いて投与する遺伝子治療を開発することである。本年度は、1.癌特異的にアデノウイルス増殖が行われるよう、自己増殖に必要な遺伝子群EIAとEIB遺伝子を、癌細胞特異的に活性の高いmidkineプロモーター下流につなぎ、アデノウイルスコスミドベクターに導入した。2.さらに、このベクターに抗腫瘍効果を持つEGFRまたはVEGFのsiRNA配列をRNA polymerase III (pol III)系のヒト由来のU6プロモーター発現するユニットを導入したアデノウイルスコスミドベクターを作成した。siRNA配列は、対EGFRに5種類、対VEGFに2種類を過去の文献などから検索し、合成したものを用意し、それぞれのスクランブル(配列が似ているがsiRNA効果がないコントロール)も用意した。3.いずれのsiRNA配列も、当研究室で構築した発現ベクターによる一過的な導入発現において、癌培養細胞中のEGFRおよびVEGFの発現を低下させることを確認した。現在、アデノウイルスコスミドベクターからアデノウイルス作成および精製を行っており、ウイルス獲得後はin vitro,in vivoの実験系で、その効果を確認していく予定である。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)
Cancer Gene Ther
巻: 19 ページ: 144-152
Int J Radiat Oncol Biol Phys
巻: 82 ページ: 626-634
doi:10.1016/j.ijrobp.2010.11.037
Surg Radiol Anat
巻: (in press)
DOI:10.1007/s00276-011-0875-x
Br J Cancer
巻: 102 ページ: 393-402
doi:10.1038/bjc.2011.262
Cancer Chemother Pharmacol
巻: 68 ページ: 69-76
doi:10.1007/s00280-010-1550-3
頭頸部癌
巻: 37-1 ページ: 116-120
doi:10.5981/jjhnc.37.116
巻: 37-1 ページ: 78-82
doi:10.5981/jjhnc.37.78
巻: 37-1 ページ: 62-66
doi:10.5981/jjhnc.37.62
JOHNS27
巻: 4 ページ: 630-633
巻: 3 ページ: 407-411