研究概要 |
本研究の究極の目的は、in vitroでの角膜再生およびその正常構造と機能の維持機構を明確にし、角膜再生の条件を突き止めることを究極の目的とする。そのために、角膜を構成する細胞間の信号系の解析を通じていくつかの課題を明確にすることを申請研究の目的とし、その実施計画として、コラーゲン膜を用いる共培養系を確立した。その成果として、角膜線維芽細胞の存在が,角膜上皮細胞の主たる生理機能であるバリアー機能に関与するZO-1, Occudin, Claudinの発現を亢進することを見いだした。逆に角膜上皮細胞の存在は,角膜線維芽細胞間の情報伝達に重要であるGap Junction蛋白質(Connexin 43)の発現、さらにAdherent Junctional蛋白質であるN-cadherinの発現を亢進することを明らかにした。その上、その発現の亢進には角膜上皮上皮細胞から分泌されるInsulin-like Growth Factor-1(IGF-1)による現象であることを証明し、またさらに、角膜実質細胞の機能としてもっとも重要であるコラーゲン分解酵素MMPの発現に角膜上皮細胞が大きく関わっていることを共培養系を用いて証明した。
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