1.小児外科疾患の代表である鎖肛の術後排便障害に対する再生医療の可能性について研究を行った。鎖肛における括約筋の低形成による排便機能障害を改善させる目的で、括約筋の再生による治療の可能性について検討した。ラット筋芽細胞を採取し、培養増幅してラットの下肢の筋欠損部に移植して筋肉の再生が起こるかどうかについて検討し移植細胞の生着率を高めるために、筋芽細胞の増殖促進作用を持つbFGFを用いて効率を上げられるかどうかについて検討した。bFGFを含浸したgelatin microsphereをもちいた徐放化システムを用いて検討した結果、bFGFの徐放化システムを併用することで、細胞の生着率が上昇することが判明した。さらに、ホストの筋において再生状態を反映する核の中央化が著明に見られたことより、bFGFによってホストの筋組織そのものの再生を促進することが判明した。 2.筋芽細胞から筋シートを作成する実験を行い、最適の条件について検討中である。今後、さらにこの研究を発展させ、筋シートの作成に成功すべく実験を行っていく予定である。 3.気管再生についてPLGAとコラーゲンのハイブリッドscaffoldを用いた再生実験を行い、bFGFの存在下で軟骨再生が促進することを報告した。
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