研究課題/領域番号 |
21390476
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
館 正弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50312004)
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研究分担者 |
川上 和義 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10253973)
菅野 恵美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10431595)
鳥谷部 荘八 東北大学, 病院, 助教 (90375006)
牛尾 茂子 東北大学, 病院, 医員 (80509604)
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キーワード | バイオフィルム / 創傷治癒 / 慢性創傷 / 糖尿病性足潰瘍 |
研究概要 |
動物モデルに関しては、マウスならびにラット背部に全層欠損創を作成し、シリコンスプリントを周囲に固定する方法で、およそ14日間の創傷遅延モデルを作成することができた。また同時にストレプトゾトシンを腹腔内投与することにより、高血糖状態とすることで、易感染性を作成できた。易感染性状態にするためには、5FU、サイクロフォスファミドの両者を試みたが、サイクロフォスファミドのほうが安全性が高いこと確認できた。 バイオフィルムの定量方法は固定標本で困難であり、以下のような定性的な評価しかできない現状である。SDラット背側皮膚に6mmパンチで真皮最下層を残す全層を作製後、細菌(GFP発現プラスミドを導入した緑膿菌PAO1株)を接種し、経時的に組織学的観察を行った。その結果、細菌接種8時間後よりバイオフィルム形成を認めた。電顕的に接種3日目では細菌とフィブリンを主体とし、7日目では変性した細胞小片を含むバイオフィルム像が観察された。本研究により、創傷におけるバイオフィルムは細菌接種8時間以内に形成されるが、強固なバイオフィルムが形成されるには72時間以上を要することが示された。 抗バイオフィルムの方法として、低侵襲性体外衝撃波活療法を活用することを柱とし東北大学医学部循環器内科と共同で、上記モデルを用いて撃波照射を開始し毛細血管新生、バイオフィルム抑制効果の無を検討中である。抗バイオフィルム薬として、安全性および入手の可能性からキシリトールとファルネソールに的をしぼり外用による創傷治癒促進効果を見るために、動物実験を計画中である。
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