研究課題
基盤研究(B)
自然免疫応答は感染防御の最前線を担う必須の生体防御機能であるが、感染に対する生体の炎症反応が制御不能に陥ると全身性炎症反応症候群を呈して敗血症を発症する。そのため、自然免疫応答の活性化制御機構を明らかにすることは、敗血症病態の分子機構の理解と人為的制御法の開発において重要な課題である。申請者らは、自然免疫応答で働く骨髄球系細胞の活性化制御受容体であるMAIR-I(CD300a)およびMAIR-II(CD300d)を同定し、それぞれの遺伝子欠損マウスを作製した。これらのマウスに盲腸結紮穿孔法(CLP)モデルを用いて敗血症を誘導し、敗血症におけるこれらの分子の役割を検討した。その結果、抑制性シグナル伝達モチーフを持つMAIR-I遺伝子を欠損すると敗血症による生存率が亢進し、一方、活性化シグナルを伝達するMAIR-II遺伝子を欠損させると死亡率が低下することを見出した。本研究では、敗血症の病態におけるMAIR-IおよびMAIR-IIの分子機構の一端を明らかにした。さらに、抗MAIR-I抗体を用いることにより敗血症の病態が改善することを見出し、敗血症治療のための抗体療法の可能性を示した。
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