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2009 年度 実績報告書

プラットフォーム型分子としてのトロンボモジュリンの新規抗炎症効果の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21390483
研究機関鹿児島大学

研究代表者

川原 幸一  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10381170)

研究分担者 丸山 征郎  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
橋口 照人  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70250917)
清水 利昭  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (50468055)
キーワードthrombomodulin / 炎症 / プラットフォーム分子 / 補体
研究概要

トロンボモジュリン(TM)は、凝固線溶系においてトロンビンを凝固から線溶へのベクトル変換をしている。TMは、血管外においてもその発現が確認され、凝固線容系での機能とは別な新規機能が予想された。実際、炎症の場において、TMのN末側のC型レクチン様ドメインが抗炎症活性に関係している。というのは、TMは、唯一、'死のメディエーター'であるHigh Mobility Group Box-1(HMGB1)を局所に留め、最終的にHMGB1を分解へ導く分子である。このHMGB1は、パターン認識受容体(pattern recognition receptor(PRP))のToll-like receptor-2,4と結合して炎症を遷延化する。従って、TMも、生体内にとって'有益な'パターン認識受容体の可能性があり、TMは、炎症の場におけるタンパクの結合の'場'であり炎症から抗炎症ヘベクトル変換する'プラットフォーム分子'であることが強く示唆される。本研究では、細胞の内外でのTMと結合する未知のタンパクを同定しさらなる未知の機能を探索し、新規のTMの機能(プラットフォーム分子として)の解明を目的とする。
1. TMは補体の分解を惹起する。
我々はすでにTMのN末側のC型レクチン様ドメインが抗炎症作用(HMGB1の吸着・中和)を有していることをex vivoと動物実験で証明した。これがTMのプラットフォーム分子としての可能性を指摘している。そこで本年度はTMがトロンビンと結合し(プラットフォームとなり)、その複合体がトロンビン単独よりさらに補体に関わる因子、すなわち、C5の分解を促進したことを検証した。
2. TMは補体活性を惹起する。
TMを起点として、トロンビンのC5の分解促進ばかりでなく補体活性経路の三つの内一つalternative pathwayを有意に上昇させ、TMが凝固線溶、炎症、そして補体のプラットフォーム分子であることが強く示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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